風俗の定義・意味は主として次から成る。
1. ある時代や社会、ある地域や階層に特徴的にみられる、衣食住など日常生活上のしきたりや習わし、風習のこと。広く、世相や生活文化の特色をいう場合もある。類似語に世俗や習俗(習慣と風俗)がある。用例としては「明治時代の風俗」「下町の風俗」「性風俗」などがある。
2. 日常生活上の風俗を絵画にしたものを風俗画と呼ぶ。特定の階層、特に一般市民の日常の様子を主題としたものが多い。西欧においては、ルネサンス期以降、市民社会の発達に伴って一ジャンルを築くようになっていった。風俗画を残した代表的な画家には、ピーテル・ブリューゲルやヨハネス・フェルメールなどがいる。日本においてもジャンルとして広まったのは近世以降である。江戸時代には、市民の風俗を題材にした浮世絵が多数残されている。
3. 世相や風俗を社会的な広がりでとらえて描いた小説を風俗小説と呼ぶ。同様に、庶民の世相や風俗を描いた喜劇を風俗劇といい、ヨーロッパでは17世紀にモリエール(フランス)やコングリーブ(イギリス)らに始まっている。
4. 雅楽の一種。くにぶり。日本の各地、主に東国で流行した歌舞を宮廷用に選集・編曲したもの。大嘗会(だいじょうえ)などの朝廷の儀式の際に演じられた。舞を風俗舞(ふぞくまい)、歌謡を風俗歌(ふぞくうた)と呼ぶ。
5. 成人の性的な習慣や嗜好を指して「性風俗」と呼ぶ。近年、性的サービスを提供する業種の動向を指して「性風俗」と呼ぶ例が増えたため、それが象徴的に、性的サービス産業そのものを指して「性風俗」もしくは省略して「風俗」と称するようになった。性風俗情報を扱うスポーツ新聞、夕刊紙や関連情報誌などでは、「フーゾク」と記されることも多い[要出典]。
元来の「風俗」の意味は、一般市民の日常生活の特色や世相などを表す(1)の意味であるが、こんにち、古くからの生活上の習わしやしきたりが失われていく反面で、(5)の性風俗に関しては、当初、業界内とその周囲だけで通用していた用例が、マスコミでもその意味で用いられることにより、社会的にも広く認知された状況下にある。
このため、現在において、単に「風俗」というと「性風俗」を意味することも増えてきており、「風俗嬢」という言葉さえ生まれている。こんにちでは、使用する時と場所を誤り、不用意にこの語を用いると、意に反した誤解を受ける場合も少なくない。周囲の状況によってはセクシャルハラスメントとみなされることもあるので、注意が必要である。
参照フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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